関西初の日傘シェアで、雨の日も晴れの日も移動を快適に
発表会の冒頭では、株式会社Nature Innovation Group 代表取締役の丸川 照司氏が登壇し、自身が大学在学中に「アイカサ」を立ち上げた背景を紹介しました。「社会課題をビジネスの力で改善したい」という思いを原点に、使い捨て傘を減らし、必要な時に傘を借りられる便利な社会づくりを目指してサービスを開始したそうです。現在では、駅や商業施設、自治体施設などを中心にサービスを展開し、会員数は約92万人にのぼります。

『COOL MOVE OSAKA』の中心施策は、傘のシェアリングサービスにおける晴雨兼用折りたたみ傘の提供として関西初となる「アイカサmini」の展開です。大阪府内の主要駅を中心に約270か所・1,130本が展開され、急な雨への備えに加え、晴れの日の暑熱対策としても活用できる環境が整えられます。
丸川氏は、天候に関わらず移動しやすい街づくりの重要性を語り、「私たちが提供したいのは、単に傘そのものではなく、雨の日も晴れの日も、安心して快適に移動できる体験です」と述べました。

また、アイカサ利用者の約8割が「街での立ち寄りが増えた」と回答したアンケート結果も紹介され、傘を借りられる環境があることで、雨の日や暑い日でも移動を諦めず、買い物や飲食、観光など街での行動を促すきっかけになることが説明されました。丸川氏は、「アイカサを通じて生活者の利便性向上だけでなく、地域経済の活性化にも貢献していきたい」と語っています。
大阪限定オリジナル和傘をお披露目
大阪での展開にあわせて制作された、大阪限定のオリジナルデザインの晴雨兼用折りたたみ傘もお披露目されました。このデザインは、大阪府民や訪日外国人へのインタビューをもとに制作され、大阪らしさと和傘の要素が取り入れられています。

丸川氏は、大阪だけでなく、京都、奈良、神戸など、それぞれの街らしさを表現したご当地デザインの傘を展開することで、地域の魅力発信や街の活性化にもつなげていきたいと展望を語りました。今後は英語・中国語・韓国語などの多言語対応も予定されており、訪日外国人観光客にとっても使いやすいサービスを目指しています。
全国18社の鉄道事業者が参画する「TRIP」
次に、鉄道事業者とともにスタートアップ共創を推進する「TRIP」の代表企業であるTISI株式会社 ビジネスイノベーション事業部 ストラテジー&デジタルコンサルティング第2部 ディレクターの水船 慎介氏が登壇し、TRIPの取り組みについて紹介しました。

TRIPは、鉄道事業者がスタートアップと連携し、駅や沿線、街のアセットを活用しながら新たなサービスを社会実装していく取り組みです。参画する鉄道事業者は全国18社に広がっており、スタートアップが持つサービスやアイデアを、より多くの地域や生活者に届けるための共創が進められています。TRIPでは今後も全国への展開拡大を目指し、鉄道事業者のアセットとスタートアップのアイデアを掛け合わせながら、新たなサービスの社会実装を支援していく考えです。
関西の鉄道事業者8社が期待を語る
続いて、『COOL MOVE OSAKA』に連携する関西の鉄道事業者8社が登壇し、アイカサの導入状況や、晴雨兼用折りたたみ傘の展開に対する期待についてコメントしました。各社のコメントからは、アイカサが駅を起点に沿線利用者の移動を支える生活インフラの一つとして、雨の日の利便性にとどまらず、猛暑日の暑熱対策、観光客への対応、環境負荷の低減など、各社の沿線ごとの特性や課題に応じて、アイカサの活用が広がっていることがうかがえます。
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Osaka Metro 丸野氏: 現在36駅に設置が完了しており、9駅の増設を予定しています。利用者ニーズの高まりを受け、109全駅への設置に向けて進めているとのことです。

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大阪モノレール 栗原氏: 7月から順次全18駅への設置を進める予定です。万博記念公園をはじめ、観光・レジャー利用の多い沿線特性を踏まえ、日傘の活用が熱中症リスクの軽減につながり、安全で快適な移動に貢献できると期待を示しました。

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北大阪急行電鉄 安田氏: 秋の行楽シーズンに向けて全5駅への設置を予定しています。インバウンド利用者の増加に対応するため、日傘を気軽に借りられる仕組みは、熱中症リスクの軽減だけでなく、移動そのものの快適性を高めることにも意義があると考えています。

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近畿日本鉄道 森本氏: 現在の導入エリアでは、通勤・通学利用や観光利用など、利用駅ごとの特徴が見えています。夏の軽装で観光する利用者が、暑い時に駅で折りたたみ日傘を借りられることに意義があると感じているとのことです。

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京阪ホールディングス 松谷氏: グループで推進するサステナビリティの取り組み「BIOSTYLE」とアイカサの傘シェアリングサービスは親和性が高いと説明しました。ビニール傘の廃棄削減と利用者の利便性向上の双方につながる取り組みとして、京阪電車の駅をはじめ約60スポットに設置しています。

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南海電気鉄道 有村氏: 同社が重視する「移動の質を高める」という考え方と今回の取り組みが合致すると説明しました。暑さという社会課題に対して、一企業だけでなく都市全体で取り組むことに大きな意義があると感じています。

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阪急電鉄 藤澤氏: 2025年7月からアイカサを導入し、今年3月には全駅へ展開を広げ、現在は全87駅135か所で設置しています。これまでに3,400人あまりのユーザーが利用しており、リピーターも増えているとのことです。

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阪神電気鉄道 平尾氏: 沿線活性化の取り組みの一環で2020年からアイカサを導入し、現在は全45駅56か所に設置しています。高品質な傘を必要な時に利用できるサービスは、阪神グループが目指すサービスと方向性が一致すると期待を示しました。

大阪府による暑熱対策「おおさかクールオアシスプロジェクト」
発表会の後半では、大阪府 環境農林水産部 副理事の橋田 学氏が登壇し、大阪府が進める暑熱対策について説明しました。大阪府の平均気温は日本の平均を上回っており、最高気温35度以上の猛暑日の日数も増加傾向にあり、熱中症による救急搬送が大きな課題となっているとのことです。

大阪府では、府民や来訪者が暑さを避けながら安全に過ごせる環境づくりに向け、「おおさかクールオアシスプロジェクト」などの暑熱対策を推進しています。今回の『COOL MOVE OSAKA』については、「熱中症対策だけでなく、使い捨て傘の削減にも貢献する素晴らしい取り組み」とコメントしました。
当日、会場近くの「うめきた広場内」ではサーモグラフィーを用いた、日傘使用による体感温度の変化を可視化するブースも設置されました。


「アイカサ」と「TRIP」について
傘のシェアリングサービス『アイカサ』
『アイカサ』は、「雨の日も晴れの日も快適にハッピーに」と「使い捨て傘をゼロに」をミッションに2018年12月にサービスを開始した、日本初の本格的な傘のシェアリングサービスです。突発的な雨にもビニール傘をその都度購入せずに、駅や街中で丈夫でサステナブルな『アイカサ』を借り、雨が止めば最寄りの傘スポットに返却することで、エコに貢献しながら手ぶらで便利に移動できるのが特徴です。現在は、アプリ会員数92万人を超え、東京駅や新宿駅をはじめとした都内全域と関東、関西、愛知、岡山、福岡、佐賀など12都道府県で展開し、スポット数2,500か所以上に設置されています。
『アイカサ』アプリの登録はこちらからどうぞ。
https://www.i-kasa.com/

イノベーションクラスター「TRIP」
「TRIP」(Tokyo Railway Innovation Partnership)は、TISI株式会社と鉄道事業者で構成され、TISIのスタートアップ支援の知見と、鉄道事業者各社が有する多様なアセットを活かし、スタートアップ支援によるイノベーションを創出するための組織です。

「TRIP」は“鉄道・交通”をメインテーマとし、ウェルビーイングや気候変動対策(クライメートテック)、生物多様性の回復・保存(ネイチャーテック)などの領域でスタートアップ企業の技術・ソリューションを活用し、社会課題の解決を目指しています。クラスター構成企業として新たに参画する鉄道・交通事業者や、活動に協力する事業会社(支援パートナー)を募集し、スタートアップ企業の資金調達やビジネスマッチング、プロモーション等、幅広い支援活動ができるクラスターを目指し活動を進めています。
「TRIP」のHPはこちらからどうぞ。
https://tib-trip.com/

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