日立製作所、駅業務を効率化する「駅業務アプリケーションスイート」を提供開始

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鉄道業界が直面する課題とデジタル化の必要性

鉄道業界では、労働人口の減少、業務の高度化・複雑化、訪日外国人対応の増加、安全対策の強化などにより、駅係員一人ひとりの役割と負担が増大しています。これに対応するため、駅業務のデジタル化が進められ、さまざまな支援機能やシステムが導入されてきました。しかし、多岐にわたる現場業務において、導入された支援機能を横断的に活用することや、管理職が現場状況を俯瞰的に把握し、駅運営全体を円滑にマネジメントすることの重要性が高まっています。

日立製作所はこれまでも、移動制約者ご案内業務支援サービスやAI係員ソリューションなどを通じて、駅係員の業務負荷軽減とサービス品質向上を支援してきました。これらの経験で培った知見とノウハウを活かし、現場の駅係員・乗務員と管理職双方の視点から、駅業務のさらなる効率化・高度化を支援するサービスとして駅スイートを開発しました。

「駅業務アプリケーションスイート」の主な特徴

駅スイートは、以下の3つの特徴により、駅業務の効率化と品質向上に貢献します。

1. 駅業務支援の複数アプリケーションを一つに集約

駅スイートは、コミュニケーション支援、作業ダイヤ管理、巡回・点呼管理など、駅係員が日々行う多様な業務を一つのアプリケーションに集約します。これにより、従来は業務ごとに分散していた情報や連絡が一つの画面で確認できるようになります。駅係員は「その日行うべきこと」や「いま優先すべき対応」を即座に把握でき、急な連絡や突発的な作業が発生した場合でも、重要な情報を見落とすことなく、スムーズに次の行動に移ることが可能です。

駅務員向けの業務支援システムを紹介。スーパーアプリとミニアプリで、作業ダイヤ、巡回、点呼、報告、コミュニケーション、教育など多岐にわたる機能をスマートフォンで提供し、効率化を図る。管理はWebアプリで行う。

2. 複数駅の業務状況を把握できる可視化・管理機能

管理職向けのWebアプリケーションでは、現場で利用される業務支援機能の設定や利用状況を一元的に管理できます。現場で行われた作業内容は記録として残り、複数の駅における業務の進捗や実施状況をリアルタイムで確認できるため、駅ごとの業務状況が把握しやすくなります。これにより、駅係員と司令員の間で同じ情報を共有しながら状況を確認できるようになり、業務の抜けや遅れに早期に気づくことが可能です。現場で蓄積された業務ノウハウを共有し、日々の運営に活かすことで、業務の標準化や品質の安定化を支援します。

3. 容易な導入と柔軟な拡張性

駅スイートは、業務の入り口となるスーパーアプリと、個々の業務を支援するミニアプリで構成されています。そのため、導入時に全ての機能を揃える必要はなく、業務内容や課題に応じてミニアプリを段階的に追加することで、業務支援の範囲を柔軟に拡張できます。また、SaaS型アプリケーションとして提供されるため、専用サーバーの構築が不要であり、導入・運用の負荷を抑えながら、現場の変化に合わせた継続的な業務改善を実現します。

実証実験とその成果

駅スイートは、相模鉄道株式会社の協力のもと、2025年度に実施された実証実験を通じて、その有効性や業務への適合性が確認されました。実証実験では、作業ダイヤ管理や巡回管理などの機能を活用し、駅における日常業務の整理やアプリケーション活用上の課題が明らかにされ、より現場業務に即した機能設計に繋がっています。今後、2026年度7月中には同社の全駅への適用を目指し、検討が進められています。

今後の展望

日立製作所は今後、鉄道事業者への駅スイート導入を拡大するとともに、現場での活用を通じて得られる知見を活かし、駅業務を支援する機能の拡充を継続していく方針です。さらに、SaaS提供事業者としてのノウハウやネットワークを活かし、将来的には鉄道業界に留まらず、電力、航空、公共分野など他業種への展開も視野に入れ、現場業務全体の高度化と持続的な運営を支えるサービスの実現を目指します。

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