触車事故ゼロを目指す「線路立ち入り訓練VR」をJR西日本レールテックと積木製作が共同開発

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触車事故ゼロへ向けたVR訓練システム

最新のテクノロジーを駆使し、顧客の価値創造を目指す株式会社積木製作は、JR西日本グループで線路設備や土木構造物の点検、軌道の保守工事を担う株式会社JR西日本レールテック(以下、レールテック)と共同で、「触車事故防止訓練用VRコンテンツ」を開発しました。

作業員が線路脇で電車に指示を出している様子

このコンテンツは、従来の「体験型」VRとは異なり、指導者がその場でシチュエーションを設定し、受講者に立ち入りや待避を指示できる「指導者主導型の訓練型」を採用しています。線路内の現場で最も重大なリスクとされる「触車事故」のゼロ災害を目指し、基本動作の反復習得から過去事故の追体験までを可能にします。

業界の重大リスク「触車事故」をゼロにする開発背景

線路メンテナンスの現場では、列車との接触による「触車事故」が最も重大なリスクとして認識されています。レールテックが独自の訓練コンテンツ開発に踏み切った背景には、繰り返してはならない重大事故への強い問題意識がありました。

すでにVRを活用した安全教育は業界内で広がりを見せており、レールテックも開発当初は他社製の体験型VR教材を新入社員研修や現場のフォローアップ研修等に活用していました。しかし、2年ほどの使用経験から、「自社の訓練体系に合った、繰り返し確実に訓練できる独自の教材が必要である」との考えに至り、2024年度より積木製作との共同開発が開始されました。

「体験型」から「訓練型」へ進化したコンテンツの特徴

レールテックが目指したのは、従来の体験型VRをさらに進化させ、繰り返しの教育訓練にも対応できるコンテンツでした。本コンテンツでは、線路上を列車が自由に走行する中で、指導者がその場の状況を設定し、受講者に「ここで一度立ち入って待避してください」と指示できる設計を採用しています。これにより、受講者は何度でも異なる状況下で基本動作を訓練できます。

「このエリアに近づいてはいけない」という視点から指導者が受講者を導く「指導者主導型の訓練型VRコンテンツ」は、現場の安全行動を身体に定着させることに重点を置いた独自性の高い方式です。

若手からベテランまで対応する二部構成

本VRは、レールテックの訓練体系に沿った二部構成で開発されました。

シリーズ 内容
シリーズ1 線路立ち入り前の一旦停止、確認、待避指示、待避といった「基本動作」を指導者主導で何度でも反復可能
シリーズ2 過去の事故・事象をもとに、「どのような環境で発生したのか」「どのような事故につながったのか」を多角的に追体験。文字資料やデータだけでは伝わらない学びを提供

シリーズ1で基礎を固め、シリーズ2では「分かっている」と思っている世代にも改めて危険を見つめ直してもらうという、目的や習熟度に応じて使い分けられる多軸の設計が特徴です。

鉄道線路と住宅街の風景

鉄道橋の内部から線路と列車を見る風景

夜間の線路上に停車する保線車両

トンネル内を走行する新幹線

現場と共につくった「リアル」

開発にあたり、積木製作が重視したのは、鉄道メンテナンスの現場感を忠実に再現することでした。レールテックからは、実際の列車の前頭画像など現場の状況が伝わる素材が数多く提供され、開発はスムーズに進行しました。さらに、シリーズ2の開発段階では、軌道本部の技能競技会の場で現場メンバーに実際に体験してもらい、その場で多数のフィードバックを収集しました。

「ここで立って渡らせると列車が真っ直ぐ自分の方へ来てしまうから、もう少し角度を変えないとリアルじゃない」といった動線についてなど、経験に基づいた数多くの指摘が寄せられ、それらを一つひとつ反映することで、訓練としてのリアリティを大きく高めることができました。

都市部の鉄道駅に進入する電車

VRシミュレーション画面に表示される警告メッセージ

住宅街を走る電車と線路

活用と今後の展開

完成したVRは、安全戦略部が担当する新入社員研修に加えて、軌道本部による1年目末・2年目末・3年目末のフォローアップ研修でも活用されています。1年ぶりに体験する受講者にとっては新鮮な訓練機会となり、基本動作を繰り返し再確認できる構造になっています。

受講者の反応は様々ですが、共通しているのは「実際に線路へ入ったときのイメージがつく」ことです。本来はホームの上か踏切でしか得られない「列車を真正面から見る」感覚を、安全な環境で体験できる点に大きな価値があります。中には驚いて固まってしまう受講者もおり、「現場で最も危険な“動けない自分”を訓練の中で体験できる」ことも、本コンテンツならではの効果です。

VRヘッドセットを装着して訓練を受ける作業員たち

VR訓練の様子を示すモニターと参加者

また、本コンテンツを活用している各支店に向けては、「目的に沿って使いつつ、現場ごとに自由に工夫してよい」という柔軟な運用がなされています。

「ヒヤリとした時にはもう遅い」「ヒヤリすら感じることなく重大事故に繋がってしまうことが最も恐ろしい」という考えから、危険に「気づける感覚」を安全な環境での訓練で養うことが重要視されています。本コンテンツは、鉄道メンテナンス工事という安全が求められる現場において、開発側とユーザー側が密に連携しながら「リアル」を追求した、これからのVR活用の新しい指針となる取り組みです。

本コンテンツは現在、金沢・近畿・中国エリアおよび山陽新幹線の各支店、さらにグループ関連会社へと展開が広がっています。あわせて、軌陸車の踏切退線や線路閉鎖手続きなどを題材とした第2期コンテンツの開発も進行中です。今後もレールテックと定期的に意見交換を行い、現場ニーズや事故事例を反映したソフトウェアのアップデートを継続することで、より実践的で効果的な教育訓練の実現を目指してまいります。また、本コンテンツを通じて安全な待避行動および瞬時の判断力の定着を図り、触車事故の未然防止に寄与してまいります。

関連リンク

  • 開発実績:「触車事故防止を目的とした線路立ち入り訓練VR」

  • お客様の声:「触車事故防止を目的とした線路立ち入りや待避行動訓練をVRで実現」

株式会社積木製作について

「全産業の未来を設計する」をビジョンに掲げる積木製作は、xRソリューションカンパニーです。「最高品質のVRが現場の意識を変える」をスローガンに、VR/AR/MRを活用した安全教育や技術伝承コンテンツの開発において国内トップクラスの実績を持っています。最先端の技術と豊富な知見を融合させ、現場の課題解決に直結する没入感の高いXRソリューションを提供しています。

  • 所在地:東京都墨田区江東橋2-14-7 錦糸町サンライズビル9F

  • 設立:2003年9月

  • URL:https://tsumikiseisaku.com/

本件に関するお問い合わせ先:
株式会社積木製作
TEL:03-6666-9220
Email:info@tsumikiseisaku.com

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