Will Smart代表 石井康弘氏が富山県の地域交通サミットに登壇、事業者を超えたデータ共有で「地域全体の最適化」を提言

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イベント概要と石井氏の提言

イベントは「富山県の持続可能な地域交通を目指して2026 ~選ばれる交通とモビリティ先進観光地・富山へ~」と題され、富山県民会館で開催されました。富山県副知事 蔵堀祐一氏の開会挨拶や、北陸信越運輸局長 田中賢二氏、日本民営鉄道協会 理事長 羽尾一郎氏による基調講演などが行われました。

後半のパネルディスカッション「『移動の質』が変える富山の未来 ~DXとデザイン、そして行政の役割~」では、石井氏が日本民営鉄道協会 理事長 羽尾一郎氏、前富山市副市長 美濃部雄人氏、富山地方鉄道株式会社 代表取締役社長 新庄一洋氏、株式会社イチバンセン 代表取締役 川西康之氏とともに登壇しました。このセッションでは、DX・MaaSの観点から、地域交通の持続可能性を高めるためのデジタル活用や事業者間連携について活発な議論が交わされました。

DXは「何のために行うのか」を起点に考える

石井氏は、DXの導入が目的化しやすい現状に触れ、まず「何の課題を解決するために、どの技術を使うのか」を明確にすることの重要性を強調しました。交通事業におけるDXの目的を、「利用者」「従業員」「行政・地域」の3つの視点から整理しました。

利用者の利便性向上や交通事業者の増収、従業員の人手不足対策としての業務効率化、そして行政・地域との連携による社会インフラとしての地域交通のデータ活用が、それぞれの目的として挙げられました。

人手不足を前提に、既存業務そのものを見直す

従業員向けDXの具体例として、京王電鉄バス株式会社との共同プロジェクトである東京駅八重洲のバスターミナル運営システムが紹介されました。このシステムは、センサーとデジタルサイネージによる乗り場誘導、多言語での自動案内、発着実績データに基づく請求業務の自動化などを組み合わせ、人手を極力かけない運営を前提に設計されています。石井氏は、人手不足に対応するためには、既存業務をそのままデジタル化するのではなく、業務そのものを見直すことが重要だと説明しました。

個社最適から、地域全体の最適化へ

行政・地域との連携事例として、熊本県と青森県八戸圏域での取り組みが紹介されました。熊本県では、県内バス事業者5社による共同経営において、Will Smartが各社の異なるデータを統合・分析する仕組みを提供しています。八戸圏域では、株式会社ケー・シー・エスとともにバスICカード乗車データの可視化・分析基盤を提供し、路線再編の議論と合意形成をデータに基づいて進める仕組みづくりを支援しました。この取り組みは、2026年2月に八戸圏域が国土交通省「令和7年交通関係優良団体大臣表彰(地域公共交通部門)」を受賞するに至りました。

石井氏は、バス事業の主要な経営資源である「車両」と「乗務員」を事業者単位だけでなく、地域全体の資源として捉えることで、車両稼働率の向上や労務負担の分担につながる可能性を指摘しました。また、各社が異なるシステムやデータ形式を利用している現状が連携を困難にしているとし、九州MaaSの事例のように共通システムを利用することで、事業者間でのデータ融通が容易になることを説明しました。需要に対して供給力が不足する状況が広がる中、地域単位での共通化・連携が重要であるとの見解を示しています。

他産業のデジタル活用に学ぶ

議論の締めくくりとして、交通業界内だけで課題解決を考えるのではなく、他産業のデジタル活用から学ぶことの重要性が言及されました。小売業のセルフレジや飲食店の事前予約など、すでに一般化しているデジタル体験は、利用者の利便性向上だけでなく、働く人の負担軽減にも寄与しています。

観光分野においても、情報収集から予約まで多くのプロセスがデジタルで完結する一方で、実際の移動にはアナログな手続きが残る場面があり、旅行者の時間や利便性を損なう要因となっています。石井氏は、他産業で当たり前となっているデジタル体験を公共交通にも取り入れ、利用者と働く人の双方にとって使いやすい交通へと変革していくことの重要性を述べました。

地域交通全体の持続可能性を高めるDXへ

人口減少や担い手不足が進む中で、地域交通に求められるDXは、個々の事業者の業務効率化に留まらず、事業者や自治体を越えてデータや仕組みを共有し、限られた経営資源を地域全体で活用する方向へと広がっています。

Will Smartは、これまでの交通事業者とのシステム開発や実証、データ分析基盤の構築などを通じて培った知見を活かし、現場の課題を起点に、実際の業務で活用できる仕組みとしてデジタル技術を実装することを重視しています。今後も、交通事業者や自治体などとの共創を通じて、個社の業務効率化に留まらず、地域交通全体の持続可能性を高めるDXの実現に取り組んでいくとのことです。

Will Smartの詳細については、以下のWebサイトをご覧ください。
https://willsmart.co.jp/

株式会社Will Smart 会社概要

  • 会社名:株式会社Will Smart

  • 代表者:代表取締役社長 石井康弘

  • 設立:2012年12月12日

  • 上場:東証グロース(175A)

  • 事業内容:モビリティ業界を中心とした事業課題解決に対してDX技術を駆使したソリューションの企画・提案、ソフトウェアの受託開発と運用支援。

  • 資本金:865百万円(2026年6月1日現在)

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