JR4社とJALが巡礼・精神文化を軸とした新たな広域観光を開始

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取り組みの背景と目的

訪日需要が拡大するなか、地域固有の自然や精神文化に触れ、自身を見つめ直すことで心の豊かさを得る「ウェルビーイング」を高める旅への関心が高まっています。一方で、旅行者の訪問先は大都市圏に集中する傾向があり、地方への誘客促進や地域経済への波及効果の拡大が重要な課題とされていました。

このような状況を踏まえ、本取り組みでは「巡礼」「祈り」「再生」といった日本各地で受け継がれてきた巡礼・精神文化を軸に、以下の目的の実現を目指しています。

  • 各地域が守り伝承してきた歴史・文化・自然の価値を広域でつなぎあわせ、次世代へ継承することで、旅行者一人ひとりと地域双方のウェルビーイングを高める高付加価値な訪日体験の創出に取り組みます。

  • 5社の連携により、広域観光モデルを構築し、「立体型観光」を推進します。これは鉄道と航空など複数のモビリティを組み合わせて旅程を組む新しい旅行スタイルです。長期にわたり繰り返し訪れることで地域の価値をより深く理解するサステナブルな観光を目指し、地域課題の解決を図ります。

訪日市場の課題と観光戦略

広域観光モデルのイメージ

5社連携による新規性

これまでのインバウンドプロモーションは、エリアごとの魅力発信や移動手段の提供が主でしたが、本取り組みはJR4社のエリア内の移動・観光インフラとJALの航空ネットワークを掛け合わせた情報発信を行うことが特徴です。これにより、旺盛なインバウンド需要を地方へも誘導し、地域経済の活性化を図ります。また、航空・鉄道・地域交通を円滑に接続するシームレスな移動環境の整備を進めることで、旅行者が各地域を快適に体験できる環境の充実を図ってまいります。

プロジェクトの核となる3か所のフィールド

① 出羽三山

出羽三山 参道

羽黒山 齋館

月山、羽黒山、湯殿山を巡る出羽三山詣は、古来より「生まれかわりの旅」として知られ、自然と信仰が息づく特別な地です。山岳信仰の霊性に触れながら心身を整える体験は、ウェルネスや精神性を重視する旅行者にとって大きな魅力となります。

② 世界遺産 熊野古道

熊野古道 石段

那智の滝と三重塔

熊野古道は、千年の祈りが息づく巡礼路として、ユネスコの世界文化遺産にも登録されるなど国内外から高い評価を受けています。苔むす石畳や深い森を歩く体験は、観光を超えた内省と再生の時間を提供し、日本ならではの深い文化体験を訴求します。

③ 四国遍路

四国遍路 休憩所

護摩焚き

弘法大師ゆかりの八十八ヶ所の札所(寺院)をめぐる四国遍路は、世界でも稀有な回遊型巡礼路です。約1,200kmにわたる旅路には、壮大な自然、人とのふれあい、そして「お接待」に象徴される地域のおもてなし文化が息づき、長期滞在や周遊型旅行との高い親和性を備えています。

具体的な施策

⑴ 特設HPの公開

本日より、巡礼・精神文化と「出羽三山」「世界遺産・熊野古道」「四国遍路」を紹介する特設ページが公開されています。これにより、訪日旅行者への認知拡大と広域観光モデルの発信強化が推進されます。

Japan Travel Sacred Journeys ウェブサイト

この特設HPは、順次内容を更新し、内容の拡充が図られる予定です。

⑵ 3つのフィールドを結び合わせる共通ブランディングの策定

ブランディング策定のためのワークショップが、2026年9月から10月頃にかけて関係者を対象に実施されます。このワークショップには、地域住民も参加し、地域と一体となってブランディングを策定していく方針です。また、外国人クリエイター・コピーライターを起用することで、訪日旅客に届くブランディングを行います。5社で共通のブランディングを策定した上で、各社のネットワークを掛け合わせた情報発信を行い、各社単体ではアプローチし得なかった新たなターゲット層へ訴求してまいります。

⑶ 海外メディアへの共同情報発信やデジタルプロモーション

海外メディアでの情報発信やWeb広告などを活用したプロモーションが、ブランディング策定以降順次実施され、更なる認知拡大が図られます。

⑷ 3つのフィールドへの「エキタグ」展開

3つのフィールドをめぐる多言語版「エキタグ」が、2026年11月頃より展開される予定です。「エキタグ」により、長期にわたり複数回の来日のきっかけ作りをします。また、エキタグの実績データから旅行者の回遊状況を分析することで、次なる施策につなげます。

エキタグアプリイメージ

「エキタグ」は、株式会社ジェイアール東日本企画が提供する駅スタンプアプリで、駅などに設置された「NFCタグ」へスマートフォンをかざすことで、設置された場所のスタンプをアプリ内のデジタルスタンプ帳で収集できるサービスです。詳細については、以下の公式ホームページをご確認ください。

⑸ 本取り組みでの展開メニュー

各フィールドへのアクセス向上や周遊促進に加え、それぞれの歴史・文化・自然や巡礼・精神文化の魅力をより深く体感いただけるメニューが展開されます。

  • 出羽三山

    • 出羽三山神社での特別記念品の配布(2026年秋頃~)

    • 羽黒山参籠所「斎館」で特別メニューの提供(調整中、2027年以降)

    • 羽黒山や鶴岡市内の宿泊施設での羽黒山の香りをイメージしたノンアルコールジンの提供(2026年8月~9月の期間限定)

    • JR鶴岡駅でのPRコーナー(フォトスポット等)、駅や特急「いなほ」車内でのPR案内放送の実施(2026年秋頃~)

    • JR仙台駅⇔羽黒山頂 定期観光バスの運行(2026年7月~9月の土日祝運転)

    • ジャルパック商品のオプションとして「JR仙台駅⇔羽黒山頂 定期観光バス」の選択が可能(発売中)

    • 中村橋吾丈歌舞伎舞踊披露

      • 開催場所: 東北エプソンアクアリウムかもすい(2026年9月7日)

      • 開催場所: 羽黒山五重塔(2026年9月14日)

  • 世界遺産・熊野古道

    • 世界遺産 青岸渡寺での特別体験(株式会社日本旅行で催行予定、2026年秋頃)

    • 世界遺産 補陀洛山寺での特別体験(株式会社日本旅行で催行予定、2027年以降)

    • 手荷物配送サービス「手ぶらで熊野観光」(実施中)

    • 「WEST QR 関西・南紀エリアパス」(発売中)

    • 東紀州エリアにおける、熊野古道伊勢路沿線駅等でのおもてなし(2026年秋以降)

    • 熊野古道伊勢路の英語ガイドツアー参加者への特別記念品配布(2026年秋以降)

  • 四国遍路

    • 英語ガイド付き 四国・香川のお遍路タクシー2泊3日の旅 [JR高松駅or高松空港発着](株式会社ジャルパックで催行予定、2026年8月下旬販売開始)

    • 第75番札所「善通寺」で職員による境内案内と特別拝観(2026年冬以降)

    • 第86番札所「志度寺」での特別体験(写経、写仏、枯山水の砂ざらえ等)(2026年冬以降)

今後の展開について

本取り組みは、一過性のプロモーションにとどまらず、中長期的な取り組みとして実施されます。まずは旅行会社との連携による国内航空路線とJR各社の鉄道を組み合わせたオリジナル旅行商品等の造成・販売、将来的にはチャーター便を活用した旅行商品等の造成や、観光人材不足・二次交通整備などの地域課題解決への貢献も目指されます。さらには、各社との連携を深め、「鉄道と航空をシームレスにつなぐ移動体験の実現」や、「手荷物サービスの拡充」に向けて、検討が進められる予定です。

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