鉄道事業の持続的成長へ向けた2026年度設備投資計画を発表、安全投資に過去最高額の約511億円を投入

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安全で安心な移動の持続的な提供

安全・安心な鉄道の追求

鉄道施設や設備の老朽化が進む中、列車の安全・安定運行に必要なインフラの健全性維持・向上に努めています。大規模な修繕や更新が実施されるほか、大規模地震や豪雨など、近年激甚化する自然災害への対策も強化され、被害の最小化や復旧時間の短縮化が図られます。

  • 車両の新造、リニューアル
    大井町線で運行中の「9000系」および「9020系」を置き換えるため、5両編成の「6020系」が順次導入されています。2026年度には計8編成が導入される予定です。これらの車両には大容量情報管理装置が採用され、車両故障の未然防止による運行安定化が図られます。また、空気清浄機やハイバック仕様の座席設置により快適性を追求し、騒音や使用電力の削減も実現されています。
    目黒線・東急新横浜線「3000系」と東横線・東急新横浜線「5050系(8両編成)」のリニューアルも進行中です。目黒線「3000系」は2026年度に4編成が営業運転を開始する予定で、東横線「5050系(8両編成)」は2026年度から順次リニューアルが実施される予定です。
    大井町線「6020系」エクステリアと目黒線「3000系」エクステリア

  • 駅のリニューアル
    田園都市線地下区間5駅のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」が進行しており、桜新町駅のリニューアル工事は2026年度秋頃の竣工が予定されています。桜新町駅周辺の風景や人々の暮らしに寄り添うような空間デザインがコンセプトです。
    桜新町駅リニューアルイメージ
    築60年を迎える田園都市線田奈駅では、ホームおよびコンコースの内外装改修が進められており、2026年12月頃の竣工が予定されています。
    田奈駅外観イメージパース
    田園都市線宮崎台駅でも、ホーム、コンコースの内外装および駅前広場のリニューアル工事が進行中で、2028年度の竣工が予定されています。
    宮崎台駅南口とコンコースのイメージパース

  • 各種自然災害対策
    大雨時の土砂災害対策として、線路脇の斜面をコンクリートなどで補強する工事が進行中です。2026年度は田園都市線鷺沼駅~たまプラーザ駅間で実施されます。また、浸水対策として、東横線・田園都市線の電気設備への浸水対策工事が継続され、元住吉車庫および付近の重要施設への浸水対策工事にも着手されます。
    大規模地震に備え、耐震補強工事も実施されます。2026年度は東横線・目黒線武蔵小杉駅~元住吉駅間、田園都市線二子新地駅~高津駅間および宮前平駅~鷺沼駅間の高架橋の耐震補強工事、擁壁補強工事などが実施されます。
    東横線綱島駅~大倉山駅間の法面補強、多摩川駅~新丸子駅間の高架橋柱補強、高津変電所の浸水対策

  • 老朽化した土木構造物の維持・更新
    田園都市線たまプラーザ駅~あざみ野駅間、江田駅~市が尾駅間のトンネル補修工事が継続され、安全性・健全性の確保に努めています。また、築101年を迎える東横線鶴見川橋梁では、大規模な塗装改修や補修が引き続き実施され、橋梁の安全性・健全性の確保と耐久性の向上が図られます。
    田園都市線たまプラーザ駅~あざみ野駅間のトンネル補修工事と東横線鶴見川橋梁

  • 信号保安装置の更新
    目黒線では、導入後25年が経過した自動列車制御装置(ATC)の機器更新が2026年度も継続され、信号装置の健全性確保に努めています。また、田園都市線(2028年度導入予定)と大井町線(2031年度導入予定)では、無線式列車制御システム(CBTCシステム)の導入推進に向け、2026年度も設計や機器製作、設備の工事が進められます。
    CBTCシステム概要

  • 鉄道の安全運行を支える従業員の職場環境改善
    従業員の働きがい・働きやすさを高め、将来の鉄道事業の担い手を確保するため、老朽化した事務所などのリニューアルが実施されます。2026年度は長津田車両工場(事務所棟)、長津田検車区、元住吉総合事務所、鷺沼駅をはじめとする駅職場などでリニューアルが推進されます。
    元住吉総合事務所、長津田検車区、長津田車両工場のイメージパース

運営高度化と業界連携強化

将来的な労働力不足に対応するため、デジタル技術やデータ活用・分析による駅・運転業務、保守業務の高度化・効率化が推進され、従業員一人あたりの生産性向上を目指しています。

  • 駅オペレーションの効率化に向けた駅務機器のさらなる高度化や遠隔サポート体制の構築
    インバウンド需要や非接触ニーズに対応するため、窓口処理機の更新が行われ、一部の駅ではセミセルフ型の窓口処理機が導入されています。2026年度には、武蔵小杉駅や溝の口駅など計5駅で、セミセルフ型の窓口処理機において遠隔対応で顧客の精算やICカード処理を可能とする実証実験が実施される予定です。
    セミセルフレジ型の窓口処理機

  • 大井町線におけるワンマン運転実施に向けた工事
    2032年度から大井町線でワンマン運転が実施される予定です。2026年度は車両改造工事の実施に向けた各種機器の設計に着手します。ワンマン運転の実施に伴い、定位置停止支援装置(TASC)やホーム上の乗降監視におけるAI画像解析・検知システムなど、デジタル技術を活用した新たなテクノロジーが導入され、列車運行の安全性・安定性のさらなる向上が目指されます。

  • 田園都市線・大井町線におけるTASCの導入に向けた工事
    駅停車時に列車をホームドア開口部に合わせた定位置に停止させる定位置停止支援装置(TASC)の導入に向け、田園都市線では車両の改造工事および地上装置の設置が2026年度も継続されます。これにより、運転士の運転操作負荷軽減や、効率的なブレーキ制御による遅延抑制、安定的な運行の確保が目指されます。大井町線での導入は2032年度の予定です。

  • データ活用・分析による保守の高度化
    新たな価値の創出と生産性向上を目指し、データを一元的に連携・利活用するためのデータ基盤の構築に着手しています。これにより、部門間だけでなく協力企業を含む会社間での情報共有やデータ利活用が加速し、保守の高度化、列車運行の安全性・安定性向上、駅サービス品質の向上が目指されます。
    また、鉄道設備から取得できる各種データの活用・分析に取り組んでおり、転てつ機や軌道を対象とした「状態保全(CBM)支援システム」や、空調換気設備のクラウド型遠隔監視システム「クラウド SCADA」の活用を拡大しています。2026年度は転てつ機13箇所に対象を拡大し、「クラウド SCADA」を桜新町駅に導入する予定です。

  • 最新技術を活用した運転業務や点検・検査業務の高度化・効率化
    デジタル技術を活用した顧客サービスの高度化とさらなる安全性向上を目指し、「AI画像解析技術」を活用した運転業務のさらなる高度化が推進されます。2026年度は、ホームでの移動制約者や手合図などをAIが検知し、運転士の閉扉判断を補助するシステムが本格導入に向けて取り組みを進めます。
    AIによる画像検知のイメージ
    四足歩行ロボット「Spot(スポット)」を活用した点検・検査業務の高度化の実証実験も継続されます。2026年度も元住吉駅周辺の変電所・車庫において、電気設備や車両搭載機器の点検・検査業務を対象に、ロボットに搭載されたカメラ・センサーを用いた検査技術の高度化・効率化が目指されます。
    変電所、車庫における四足歩行ロボット「Spot」のデモ導入の様子
    「線路巡視業務のDX化」の実証実験も、鉄道事業者コンソーシアムに参画し継続されています。ローカル5GとAIを活用し、車載カメラで撮影した映像データをAI解析することで、レールの損傷や周辺設備の異常などを検知し、点検・検査の効率化と品質の均一化、将来的な保守業務の省力化および技術継承を目指しています。
    AIによる異常検知と線路巡視業務のDX化のイメージ

新たな移動の創出

マーケティングによる沿線活力の創出

コロナ禍を経て定着した新たなライフスタイルや、多様化・高度化する顧客ニーズを捉え、「Moving for Good Days Project」を開始し、顧客体験価値を豊かにする施策「新たな移動の創出」を通じて、人と情報が行き交う豊かで活気ある地域社会の実現を目指しています。
Moving for Good Days Project キービジュアル

  • クレジットカードのタッチ決済・QRコードを活用した乗車サービスの拡大
    2023年8月からは「QRコード」を活用した乗車サービスの実証実験が実施され、デジタルチケットサービス「Q SKIP」が開始されています。2024年5月からは「タッチ決済に対応したクレジットカードなどを使用した後払い乗車サービス」の実証実験も開始され、2025年3月には関東の鉄道事業者11社局で相互利用が可能となりました。
    2026年度は、利便性のさらなる向上とシームレスな移動を実現するため、「クレジットカードのタッチ決済」および「QRコード」に対応した改札機の増設を行い、多様な乗車手段の利用動向に関する検証が進められます。
    タッチ決済対応改札機
    クレジットカードタッチ後払い乗車サービス相互利用エリア
    より便利な環境整備を基盤に、魅力的なチケットの発売による高付加価値の提供や、東急線の乗車・定期券の購入でTOKYU POINTが貯まる「TOQ COIN」サービスなどを通じた顧客基盤強化を進め、顧客体験の向上と沿線における新たな移動の創出に努めています。

    *デジタル特典付個人向け社債「東急株式会社第22回無担保社債(愛称:Q SKIP債)」の充当融資資金も本設備投資に含まれます。詳細はこちらをご覧ください。
    https://www.tokyu.co.jp/company/news/detail/60631.html

  • 東急線アプリの機能向上

  • 田園都市線鷺沼駅改良工事

  • ホームと車両の段差・隙間縮小

  • 田園都市線・大井町線における旅客案内装置の更新

  • 大井町線戸越公園付近の連続立体交差事業への取り組み

移動に伴う地球環境課題の解決

鉄道による環境・社会課題の解決

  • 省エネに向けた各種取り組み
    駅構内照明のLED化など、省エネルギーに向けた各種取り組みが実施されています。

  • 田園都市線市が尾変電所への大規模蓄電システムの設置

  • 木材活用による駅リニューアル
    石川台駅、田奈駅、桜新町駅などで、木材を活用した駅リニューアルが推進されています。

2026年度の設備投資計画は、安全性の向上、運営の効率化、新たな顧客体験の創出、そして環境負荷の低減といった多岐にわたる取り組みを通じて、鉄道事業の持続的な発展を目指すものです。

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