データ活用で省エネを促進する駅舎補助電源装置「S-EIV-X」を提供開始

ニュース

1. データ遠隔取得機能による効率化と迅速な初期対応

「S-EIV-X」は、き電電圧値や余剰回生電力の吸収量といった稼働データを、専用ネットワークを介して遠隔から継続的に取得できます。これにより、データ取得作業の効率化が図られます。また、本体に異常が発生した際には、遠隔で稼働ログを確認し、原因の予測や処置の事前準備が可能となり、初期対応の迅速化に貢献します。

2. 高耐圧フルSiC採用による信頼性向上と小型・軽量化

パワーユニットに高耐圧フルSiC(炭化ケイ素)を採用することで、部品点数を削減し、信頼性を向上させています。これにより、筐体の高さも縮小され、小型・軽量化が実現し、メンテナンス性も向上しました。

3. 独自の電圧波形に基づく回生判定方式でエネルギー利用効率を向上

余剰回生電力の吸収を開始する回生判定において、独自のリップル判定方式(※7)を採用しています。これにより、従来の電圧の大きさに基づく判定方式では活用しきれていなかった余剰回生電力の活用が可能となり、エネルギー利用効率の向上に貢献します。

4. 取得データとシミュレーションデータの組み合わせ分析による回生融通量の拡大

デジタル基盤「Serendie®」を活用し、本装置で取得したデータを車両や変電所のシミュレーションデータと組み合わせた分析が可能です。これにより、き電電圧の変動傾向の把握や、変電所からの送り出し電圧の最適値算出が可能となり、余剰回生電力の吸収量や他の走行列車への回生融通量の拡大を実現します。この分析は、「鉄道エネルギーマネジメントソリューション(鉄道 EMS)」として提供されます。
鉄道エネルギーマネジメントソリューション(鉄道 EMS)

今後の展望

「S-EIV-X」のグローバルでの導入拡大が進められ、収集データを活用した電力利用最適化ソリューションの提供により、エネルギーコストの削減と脱炭素化のさらなる推進が図られるでしょう。将来的には、他設備との連携を強化し、路線全体のエネルギー管理や地域単位でのエネルギー融通へと発展させることで、鉄道事業の持続可能性と沿線地域のレジリエンス強化に貢献することが期待されます。

製品仕様

定格容量 200kW–30s通電/2分30秒休止(3分繰り返し)
入力電圧 DC1,500V
出力電圧 三相AC210V/400V, 50/60Hz
主回路方式 2レベルインバータ方式
冷却方式 自然冷却
外形 W1,500mm×D1,170mm×H1,771mm
質量 1,500kg
回生判定方式 リップル判定方式

商標関連

商標関連

特許関連

発明の名称 駅舎電源装置、回生判定方法、および回生判定プログラム
特許番号 特許第7526021号(登録日:令和6年7月23日)

三菱電機グループについて

三菱電機グループは、「Our Philosophy」のもと、サステナビリティを経営の根幹に据え、社会・顧客・株主・従業員をはじめとしたステークホルダーからの信頼を重んじています。収益性、資本効率、成長性を追求し、顧客と繋がり続けて社会課題を解決する新たな価値を創出し、企業価値の持続的向上を図っています。

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プレスリリース詳細

注釈

※1 S-EIV®:Station Energy Saving Inverterの略。鉄道車両のブレーキ時に発生する回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰回生電力を駅の電気設備に直接供給する装置です。
※2 き電電圧:電車に供給する電圧です。
※3 SiC:Silicon Carbide(炭化ケイ素)です。
※4 鉄道エネルギーマネジメントソリューション(鉄道 EMS):鉄道事業のエネルギーソリューションを基点に、その沿線へ、さらに街づくりまで広がる新たなソリューションです。
※5 高周波絶縁インバータ:高周波電力に変換し、変圧器で直流入力側と交流出力側を絶縁するインバータです。
※6 2レベルインバータ:出力電圧を2段階で制御する一般的なインバータです。
※7 リップル判定方式:変電所出力電圧に含まれる脈動電圧(ダイオード整流時の直流電圧に含まれる高調波電圧)が減少する事象を余剰回生電力として判定する方式です。
※8 回生判定値:S-EIVが回生動作を開始する電圧のしきい値です。

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