JR九州、鉄道車両データ分析基盤にソラコムのAI/IoTプラットフォーム「SORACOM」を採用

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JR九州がAI/IoTプラットフォーム「SORACOM」を採用

九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)は、鉄道車両のデータ分析基盤に、株式会社ソラコム(以下、ソラコム)が提供するAI/IoTプラットフォーム「SORACOM」を採用しました。この採用により、IoT技術を用いて車両の稼働データをクラウドに集約し、コンディションベースメンテナンス(CBM)の実現を支援する体制が整えられます。

JR九州の813系電車

鉄道事業者にとって、車両の保守・点検業務は安全運行の根幹を支える重要な業務です。JR九州では、限られた人員でより高い品質を実現するため、デジタル技術を活用した保全体制の高度化を推進しています。特に、鉄道オペレーション全体の中で大きな割合を占める車両関連業務から着手し、データ活用による効率化に取り組んでいます。

CBM実現に向けたデータ活用の推進

これまで車両にはセンサーが搭載されていたものの、データの取得は担当者が現地で確認するタイミングに限られており、データの蓄積や分析が進みにくい状況でした。JR九州は、こうしたデータをビッグデータとして継続的に活用し、期間を基準にした保全から、故障の予兆を捉えて最適なタイミングでメンテナンスを行う「コンディションベースメンテナンス(CBM)」による次世代の車両メンテナンス体制の実現に向けて、約2年前から本格的に取り組んでいます。

JR九州では、この車両データ分析基盤を外部ベンダーに委託するのではなく、クラウドへの接続まで含めて自社グループ内で内製しています。既存車両にSORACOM IoT SIMとIoTゲートウェイを後付けで導入し、空調、ドア、電力装置といった車両関連装置のデータをセルラー通信でクラウドへ常時ストリーミングする仕組みを構築しました。AWS上のデータストアに蓄積されたデータは分析基盤で処理され、機器の常時モニタリングや故障予兆の検知に活用されるなど、CBM実現に向けた基盤が整えられています。

SORACOM採用の3つの理由

車両データ分析基盤の通信にSORACOMが活用されている主な理由は以下の3点です。

  1. セルラー通信の最適性: 常に動き続ける鉄道車両からのデータ送信に、SORACOM IoT SIMによるセルラー通信が最適でした。場所を選ばずに安定して接続できるセルラー通信に加え、ユーザーコンソールやAPIから回線の状態確認や設定変更を一元管理できる点が、多数のSIMを運用する鉄道事業者の要件に合致しました。
  2. クラウド連携機能の充実: クラウド上に構築されたシステムとの連携機能が充実しており、短期間でデータをクラウドに送信する仕組みを構築できました。SORACOMプラットフォーム側でクラウド連携に必要な認証情報を管理・付与する機能により、デバイスごとの個別設定を最小限に抑えながらAWSとのデータ連携をシンプルに実現しています。構築だけでなく、日々の運用や構成の変更・拡張も容易なため、対象車両やデータ項目を段階的に広げることが可能です。
  3. 高いセキュリティ: SIMそのものが認証の役割を果たし、SORACOMを経由することで安全にクラウドまでデータを送ることができます。デバイスからSORACOMまでのセルラー通信区間が閉域で構成されている点も、安心してクラウド活用を進められる要素の一つです。

今後の展望と関係者のコメント

今後JR九州では、車両データ分析基盤で蓄積したデータの分析をさらに進め、メンテナンス領域にとどまらないデータ利活用の拡大を目指しています。

九州旅客鉄道株式会社 課長代理 松原 大知氏は、「SORACOMとクラウドの組み合わせにより、車両データの本格活用を、内製の体制で短期間に前進させることができました。デバイスからクラウドへの繋ぎ込みを自分たちの手で構築・運用できている点は大きな自信になり、今後の取り組みの拡大においても知見を蓄積できています。今後は車両オペレーションのみならず、運転業務の支援や輸送ダイヤ分析など、データドリブンな施策判断をすることで鉄道経営の最適化とお客さま満足の最大化を追求したいと考えています」とコメントしています。

株式会社ソラコム 上級執行役員 CEO of Japan 齋藤 洋徳氏は、「JR九州様が、車両データ分析基盤という事業の根幹に関わる領域でSORACOMを採用くださったことを大変光栄に思います。デジタルの力が発揮されるのは、オフィスやソフトウェアの世界だけではありません。車両を日々点検し、安全な運行を支えている現場の業務もまた、IoTとデータ活用によって大きく進化できる領域です。ソラコムは、現場で手を動かす方々の仕事をテクノロジーで進化させる取り組みを、IoTとテクノロジー活用の視点から支援してまいります」と述べています。

ソラコムについて

AI/IoTプラットフォームSORACOMは、世界200以上の国と地域でつながるIoT通信を軸に、IoTを活用するために必要となるアプリケーションやデバイスなどをワンストップで提供しています。製造、エネルギー、決済などの産業DXから、イノベーティブなスタートアップ、農業や防災など持続可能な地域社会を支える取り組みに至るまで、さまざまな業界・規模の顧客に活用されています。

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