ポーランドのクラクフ市電で鉄道EMSの実証を開始

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実証の背景

ポーランドでは、急速な経済成長に伴い電力需要の高まりが予想されています。近年では燃料価格の高騰や再生可能エネルギー(再エネ)の導入などにより、エネルギーコストの上昇が問題視されている状況です。一方、カーボンニュートラルに向けた取り組みを進める鉄道事業者においては、鉄道運行に必要な電力の抑制や利用効率化、架線電圧の安定化が課題となっています。

実証の概要

この実証は、3つの段階に分けて進められます。

第一段階:データ分析

鉄道向けデータ分析サービスを用いて、クラクフ市電の電力消費量、余剰回生電力の発生状況、架線電圧の安定状況を分析します。

第二段階:効果検証と提案

分析したデータに基づき、ESS導入時の省エネ効果と架線電圧の変動幅の改善効果を検証します。検証結果をもとに、余剰回生電力を見える化した地図の作成や、架線電圧安定化による鉄道運行の改善効果の分析を行い、クラクフ市電の沿線におけるESSの最適な導入場所が提案されます。

第三段階:ESSの設置と実測

ESSをクラクフ市電沿線に設置し、回生エネルギーの蓄電や、走行中の他の鉄道車両への電力供給を行います。実証には、次世代蓄電モジュールであるMitsubishi High Power Battery(MHPB®)を搭載したESSが利用されます。消費電力の削減量や、架線電圧の安定状況を実測することで、クラクフ市電における電力の消費削減と最適化に向けた検証が行われます。

ポーランドのクラクフを走る路面電車
クラクフ市電

本実証の期間は2026年4月から2028年9月までで、ポーランド共和国クラクフ市電が運営する複数路線で実施されます。

ESSによる回生電力の仕組み
ESSによる回生電力の吸収・蓄電の仕組み

鉄道EMSについて

三菱電機株式会社は、鉄道運行における省エネ施策を支援する「鉄道EMS」を提供しており、今後、サービス内容の充実化を目指しています。このソリューションは、デジタル基盤「Serendie」を活用して鉄道車両・駅・変電所などの電力消費状況のデータを取得・分析し、鉄道アセットの最適な利用方法をコンサルティングすることで、鉄道事業者のエネルギー最適化に向けた課題解決策を提供します。将来的には、鉄道の電力を沿線地域へも融通することで、地域全体のエネルギー最適化や災害レジリエンス強化への貢献を目指しています。

鉄道EMSのシステム概念図
鉄道EMSのシステム概念図

本実証は、経済産業省の「令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化)」を利用しています。

商標について

  • 「Serendie」は三菱電機株式会社の登録商標です。

  • 「MHPB」は三菱電機株式会社の登録商標です。

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