鉄道分野における通信の課題とソリューションの目的
鉄道運用では、高速移動中、トンネル区間、遠隔地、さらにはパブリックネットワークとプライベートネットワークが混在する環境下でも、途切れない接続性が不可欠です。ネットワーク切替時の瞬断は、安全や運行に直接的なリスクをもたらすため、「切替ギャップをなくす」ことが長年の課題でした。
今回の協業により、NEXCOMの車上向けデュアル5G対応製品「ISA 141」と、ハイテクインターのプライベートネットワークを統合する5Gソリューションが組み合わされます。これにより、Dual SIM Dual Active(DSDA)動作によるネットワーク間のシームレスなハンドオーバーを実現し、安全性が求められる制御、リアルタイム監視、運行業務通信などを単一の物理ネットワーク上で運用することを目指します。
背景にある鉄道通信の進化
本発表の背景には、鉄道事業者およびシステムインテグレーターが、現在のCBTC(Communications-Based Train Control:通信ベース列車制御)システムへの対応と、将来のFRMCS(Future Railway Mobile Communication System)への移行準備を同時に進める必要性が挙げられます。従来の鉄道通信アーキテクチャは、これらの要求変化に対して拡張性が低く、維持・運用が困難になる傾向がありました。そのため、「今ある要件」と「将来の移行(FRMCS)」を両立できる設計基盤が求められています。
NEXCOMのNetwork & Communication Solutions(NCS)事業部VPであるAllan Chiu氏は、「鉄道通信は、単に『つながる』ことから、『決まった品質で常時つながる(確実性・予測可能性)』ことへと移行しています。本ソリューションは、今日のミッションクリティカルな鉄道システムに対する実装上の土台を提供し、将来のFRMCSへの進化にもつながる現実的な基盤となります」と述べています。
ハイテクインター株式会社 代表取締役社長の旦尾 紀人氏は、「重要な鉄道インフラでは、ネットワークの切替が一瞬でも途切れることが大きなリスクになり得ます。本共同ソリューションは、その『切替のギャップ』をなくすことを狙い、ミッションクリティカルサービスを、途切れない接続と予測可能な通信品質を前提に設計された統合5G基盤上で運用できるようにします」と強調しています。
本ソリューションは、都市交通から長距離・高速鉄道まで幅広い鉄道網での導入が想定されており、スマートな鉄道運行・監視と重要インフラ通信に向けたスケーラブルなプラットフォームとして位置づけられています。
会社概要
NEXCOM(ネクスコム)
1992年に台湾・台北で設立されたNEXCOMは、ソフトウェア定義型ソリューションによりAI時代のネットワーキングを推進しています。NCS事業部を通じて、サイバーセキュリティ、OTセキュリティ、SD-WAN、SASE、ロードバランシング、5G uCPE、エッジAIなどのプラットフォームを提供しています。プロフェッショナル向けの設計・製造サービスに強みを持ち、信頼性と拡張性の高いネットワークインフラを幅広い企業に提供しています。
- NEXCOM Network & Communication Solutions: https://www.nexcom-jp.com/Products/network-and-communication-solutions
ハイテクインター
1998年設立のハイテクインターは、政府、重要インフラ、エネルギー、交通などのミッションクリティカル分野向けに、産業用通信機器の輸入・開発・販売を通じたソリューションを提供しています。累計50万台以上の導入実績を誇り、高い技術専門性と顧客課題に寄り添ったサポートで信頼を獲得しています。近年はローカル5Gや映像伝送技術の独自開発を強化しており、決定論的かつゼロダウンタイムを志向する通信環境の実現に取り組んでいます。
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ハイテクインター ホームページ: https://hytec.co.jp/

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