比叡山鉄道、2026年4月1日より旅客運賃の変更を申請

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比叡山鉄道が旅客運賃の変更を申請

比叡山鉄道株式会社は、2026年4月1日(水)の実施(予定)に向け、近畿運輸局長宛に鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請を行いました。今回の申請は、安全・安心で快適なサービス提供の継続を目的としています。

申請の背景と理由

1927年3月15日に開業した坂本ケーブルは、天台宗総本山延暦寺への参拝客や比叡山観光客の移動手段として利用されています。1993年度に大規模な施設・設備・車両の改修工事を実施して以降、経営面で債務超過の状態が続き、計画的な設備更新が困難な状況にありました。

ケーブルカーの運行に必要な設備のほとんどが著しく老朽化しており、今後計画的に更新を実施しなければ、長期運休や事故が発生する懸念があります。また、異常気象による集中豪雨で沿線法面の土砂崩落や倒木などの被害がたびたび発生し、その復旧工事や予防措置にも多額の費用が生じています。このような状況の中、比叡山鉄道では、2022年度に安全投資計画を策定し、2023年度よりその計画に基づき安全対策を進めています。今後も引き続き安全投資を継続していくためには、運賃改定による資金の確保が必要と判断されました。さらに、賃金引き上げなど従業員の待遇改善により、安定的に事業運営できる人員確保に努める方針です。

比叡山鉄道では、増収施策の実施や諸経費の削減を図るなどの対策により、1982年以降、消費税率改定に伴う改定以外の運賃改定は行われていませんでした。

申請の概要

運賃改定

今回の申請では、普通旅客運賃と通勤定期旅客運賃が変更されます。

運賃

改定率

運賃区分ごとの増減率は以下の通りです。

改定率

申請・現行運賃比較表

普通旅客運賃

普通旅客運賃

通勤定期旅客運賃(大人)

通勤定期旅客運賃

通学定期旅客運賃

通学定期旅客運賃は、過去5年以上実績がなく、今後の利用見込みがないため廃止されます。

通学定期旅客運賃

実施予定日

2026年4月1日(水)に実施される予定です。

経営状況と今後の取り組み

輸送人員の推移と今後の見通し

輸送人員の推移と今後の見通し

設備投資の実績と今後の計画

比叡山鉄道では、安全・安心な運行を維持するために継続的な設備投資を行っています。2023年度には延暦寺駅屋上階段設置工事や車両放送装置更新工事などを実施しました。今後の計画としては、2025年度に索条交換工事や誘導無線更新工事、2026年度に巻上機更新工事、2027年度に制動装置更新工事などが予定されています。

設備投資額の実績と計画額

経営合理化の状況

比叡山鉄道では、定時運行と安全運行を前提とした必要最低限の人員配置で運営するとともに、高齢者雇用の推進により人件費のコントロールに努めています。また、施設・設備の保全や修繕についても自社施工を推進しています。今後は、DXを活用した鉄道施設・設備の点検業務省力化や管理部門の業務効率化を目指していく方針です。

利用者サービスの向上策

利用者サービスの向上にも取り組んでいます。雄大な琵琶湖の眺望を楽しめるよう、延暦寺駅屋上スペースへの動線を整備しました。また、交通系ICカードを含むキャッシュレス対応の券売機導入や、乗車券・企画券のデジタル化を推進し、利用者の利便性向上に努めています。ケーブルカーの車内放送装置の更新に合わせて、観光案内放送の充実も図られています。今後は、よりお得でわかりやすい団体利用割引の見直しを行うとともに、軌道関係の修繕を進めることで、ケーブルカーの乗り心地の向上に努めていくとしています。

今回の運賃改定は、坂本ケーブルの安全運行とサービス維持のための重要な措置です。利用者の皆様にはご負担をおかけすることになりますが、何卒ご理解いただきたいとのことです。

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