大特集「サライの『鉄道』大図鑑」
日本には約3万kmにも及ぶ鉄道網が広がり、通勤・通学から観光まで、多様な場面で利用されています。地域に根ざした個性的な車両が数多く存在し、鉄道は地域の文化を象徴する存在ともいえるでしょう。本特集では、この夏に見て乗って楽しみたい、現役で走る名車両と路線を案内しています。
第1部 現役「車両」大図鑑
鉄道車両は、走る路線や目的によって多種多様です。都市間を結ぶ新幹線、夜間の長距離移動を楽しむ寝台特急、観光や体験が目的の蒸気機関車やトロッコ列車、参詣のために敷設されたケーブルカー、そして日常の移動を支える地下鉄まで、ジャンル別に特徴的な車両が紹介されています。
ノンフィクション作家の梯久美子氏は、鉄道の旅を「鉄路とその周辺に積み重なった歴史を辿る旅」と捉え、日本の陸運を支える車両の背景にも迫っています。
山陰本線の余部橋梁をキハ47形普通列車が行く風景は、夏の日本海と相まって美しい景色を見せています。キハ47形は国鉄時代に多数製造され、各地で活躍しました。

現存する唯一の定期夜行寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」は、沼津〜三島〜函南間で14年間撮影を続ける写真家によって、鉄道車両と風土の美が捉えられています。5月の富士山を背景にした姿は特に印象的です。

日本のケーブルカーの多くは、山上にある寺社への参詣のために開発されました。南海高野線の極楽橋駅と高野山駅を結ぶ高野山ケーブルは、高低差328mを上ります。

第2部 今、乗っておきたい鉄道路線
日本には、山や海が織りなす自然豊かな絶景を楽しめる路線や、地元の美味を堪能できるレストラン列車が走っています。また、都市部に残る超短距離路線や、目を引く奇想建築駅舎など、わざわざ訪れたい名物路線も紹介されています。
俳優の田中要次氏は、篠ノ井線に乗車し「日本三大車窓」の一つである姨捨駅を訪問しています。鉄道写真家の中井精也氏は、「この夏、おすすめの絶景路線」として只見線など3路線を挙げ、見どころを解説しています。さらに、沿線の食材を使った一流シェフの料理を味わえる列車も紹介されており、日本の鉄道の「生態図鑑」という視点から、体験すべき鉄道路線が案内されています。
南海高野線を走る特急観光列車「GRAN天空」では、2026年春から夏のランチメニューとして、地元食材を使用した12種類の小鉢が「おかもち」で提供されています。この特別な料理は4号車の16席のみで味わうことができるそうです。

引き出し特大ポスター付録
今号には、鉄道写真家・広田尚敬氏の未発表作品「“最後”のSL『C57』」と、スリット写真で一気に見る「新幹線『全路線』車両編成」の特大ポスターが付録としてついています。
「C57形蒸気機関車」は、その優美な姿から「貴婦人」と呼ばれ親しまれてきました。1975年には室蘭本線で蒸気機関車による最後の定期旅客列車を牽引したことでも知られています。広田尚敬氏の未発表写真からは、現役引退直前のC57の姿を見ることができます。
1964年10月の東海道新幹線開業から60年余り、新幹線は北海道から九州まで全国10路線を走っています。各路線の現役車両が、列車の側面を鮮明に捉えた「スリット写真」で紹介されており、「夢の超特急」の現在が一目でわかる内容です。

特集「市場」を旅する
鮮魚や採れたての野菜・果物、手作りの郷土料理など、人々が集い物資を持ち寄る場として始まった市場は、地域の文化を支える基盤として、今も活気に満ちています。本特集では、地域の新鮮な産品が買え、個性的な「食文化」を味わえる全国の市場を案内しています。
特集の冒頭では、漁師と農家の物々交換の場から発展し430年続く「勝浦朝市」(千葉県)を訪ね、民俗学者で神奈川大学国際日本学部教授の山本志乃氏が、「市場は情報交換の場」という視点を交えて案内しています。
このほか、最大規模の全長800mの会場に約300店が出店する「館鼻岸壁朝市」(青森県)、鎌倉野菜や洋野菜が豊富に揃う「鎌倉市農協連即売所」(神奈川県)、業者が利用する公設市場で沖縄の食文化に触れる「那覇市第一牧志公設市場」(沖縄県)が詳しく紹介されています。
青森県八戸市にある館鼻岸壁朝市は、毎週日曜日に日の出とともに動き出し、多くの人々で賑わいます。

那覇市第一牧志公設市場では、1階で買った食材を2階の食堂で調理してもらえる「持ち上げ」と呼ばれるサービスが人気です。グルクンの唐揚げや伊勢エビの塩焼きなど、地元食材を使った料理が楽しめます。

さらに、能登復興の象徴である「輪島朝市」も案内されています。土日を中心に全国各地で開催される「出張朝市」は、すでに350回を超え、輪島の窮状を伝えるとともに、将来の復興に向けた取り組みに迫っています。
連載「サライ・インタビュー/水村喜一郎(画家・80歳)」
1946年、東京向島に生まれた画家・水村喜一郎氏の人生に迫るインタビューです。9歳の時に事故で両腕を切断しながらも、口と足で絵を描き続け、14歳から画家を目指しました。19歳で口と足で描く芸術家協会奨学生となり、その後も研鑽を重ね、唯一無二の絵画作品を世に送り出し続けています。
学生時代に東京から鹿児島まで歩いて旅をした経験から「人間、必死にやればなんとかなる」と確信した水村氏は、国内外への旅を続け、そこで出会った風景を詩情豊かな作品に仕上げています。インタビューでは、生い立ちから現在の境地まで、水村氏の熱い人生が語られています。

雑誌情報
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誌名:『サライ』2026年9月号 創刊36周年 立秋特大号
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発売日:2026年8月7日
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特別価格:1,200円(税込)
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出版社:小学館

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